リスニング試験って、気付いたら音声が右から左に流れていて、結局マークシートを塗り絵することになったりしませんか?
英検1級のリスニング試験は、1回しか放送されないのに音声も選択肢も長いです。
解答を迷っていると次の問題に移ってしまい、次の問題も聞き逃すという負のループにはまります。
そこで本記事では、
- 英検1級のリスニング試験はどんな問題が出るのか?
- 各パートの特徴は?
- 具体的にどうやって対策したらいいか?
といった疑問に、仕事をしながら6か月の独学で英検1級に一発合格した筆者が答えます。
英検1級の難関である単語や、独学が難しいライティングに比べたら、リスニングは対策しやすいと感じます。
スピーカーも比較的クリアに発音してくれますし、ひねったりひっかけてくるような問題はほぼありません。
「先読み」をしてテンポよく解答できるかが勝負のカギです。 一緒に塗り絵から脱しましょう!
リスニング試験概要
英検1級のリスニングは、一次試験で筆記(100分、リーディングとライティング)の後に行われます。
試験時間は約35分で、構成は↓のようになっています。
パート | 形式 | 問題数 |
---|---|---|
Part 1 | 会話の内容一致選択 | 10問 |
Part 2 | 文の内容一致選択 | 10問 |
Part 3 | Real-Life形式の内容一致選択 | 5問 |
Part 4 | インタビューの内容一致選択 | 2問 |
解答はどの問題も4つの選択肢から1つ選びます。
解答時間は、各問題が放送し終わった後に10秒用意されています。
放送回数は1回のみです。
では、それぞれのパートについて詳しく見てみましょう。
Part 1:会話文
Part 1では、短い会話文を聞いてその内容に関する質問に答えます。
基本的に男女2人の会話ですが、1問は3人の会話もあります。
会話は30~40秒程度で、9問目と10問目が1分半程度と長くなります。
Part 2:説明文
Part 2では、1分半程度のパッセージを聞いて、その内容に関する質問に2問ずつ答えます。
パッセージは5つなので、設問2問×5パッセージ=全10問です。
内容は医療、科学、社会、自然、文化など幅広く、専門用語も出てきてアカデミックです。
Part 2は淡々と続く小難しい話に対して質問2つに答えないといけないため、苦手な方も多いと思います。
いつ質問1の内容を話していて、どこから質問2の内容に移っているか聞き逃さないようにしましょう。
そのためには後述する「先読み」が重要です!
Part 3:リアルライフ
Part 3では、問題用紙に記載された場面の状況と質問を読む時間が10秒与えられ、その後1分程度の放送を聞いて質問に答えます。
内容は日常生活で耳にするような案内放送や電話の音声などです。
放送前に与えられる10秒で状況と質問だけでなく、選択肢にまで目を通しましょう。
普段の生活で経験するような音声でとっつきやすいので、ここでも得点を狙いたいです!
Part 4:インタビュー
Part 4では、3分半程度のインタビューを聞いて、その内容に関する質問に2問答えます。
冒頭に誰についてのインタビューか簡単に案内があります。
ビジネスや環境に関する内容が多く、ゲストを招いてその人の活動についてインタビューするといった形式です。
Part 4はリスニング試験最後にして最長のラスボスです。
ここでは後述する「メモ」を活用して、必要な情報をしっかりキャッチしましょう!
対策・勉強法

では、具体的に私が行ったリスニングの対策・勉強法をご紹介します。
ポイントは4つです。
- リスニング力を底上げする
- 先読みする
- メモを適切に取る
- 過去問でシミュレーションする
1つずつ見ていきましょう。
リスニング力を底上げする
まずは音声を聞き取って理解できないと始まりません。なので、リスニング力アップが第一です。
ステップは3つです。
- スクリプトを見ながらリピート
- スクリプトを見ながらシャドーイング
- スクリプトを見ずにシャドーイング
最初はスクリプト(原稿)を見ながら、1文ずつ音声を止めていいので、リピートしてマネしてみましょう。
これでスピーカーが何と言っているのか、どのように発音するのか、聞き取れなかった部分はどこか確認します。
次に、スクリプトを見ながらでいいので、なるべく音声は止めずに、スピーカーを追いかけるシャドーイングをします。
初めは口が回らないかもしれませんが、これでスピード感を体に染み込ませます。
最後に、スクリプトを見ずにシャドーイングをします。これで聞いた情報を頭の中で素早く理解する力を鍛えます。
初めは少しずつ音声を止めて大丈夫です。慣れてきたら徐々に止める回数を減らしてみましょう。
先読みする
長い音声を聞いて、長い選択肢を読んで答えるには、先読みが欠かせません。
先読みできるタイミングは↓です。
- 筆記試験の余った時間
- リスニング試験のディレクション中
英検ではTOEICなどと違って、筆記試験中にリスニング問題を見てはいけないという決まりはありません。
筆記試験が早めに終わったらさっと見直しをして、あとはリスニングの先読みにあてましょう!
この時、Part 1から行けるところまでざっとすべてに目を通すことをおすすめします。
余裕があればキーワードや重要そうな部分に〇や下線で印を付けておけるとベストです。
リスニング試験が始まったらディレクション(各パートの説明や指示)が流れます。
ディレクション中は絶好の先読みタイムなので、今度は各パートに集中して再度先読みしましょう。
あとは↓のステップでテンポよく解答していきます。
- 直近の問題を先読みする
- 放送を聞きながら選択肢を選ぶ(問題用紙に〇を付けてから解答用紙をマーク)
- 次の問題を先読みする
マークが間に合わなかったら次の問題を先読みしながら塗るのも手です。(マークする場所がずれないよう注意!)
メモを適切に取る
長い放送の内容をすべて記憶しておくことはかなり難しいです。
解答の際に「何だったっけ?!」とならないために、メモを取ることが有効です。
ただし、メモを取ること自体に集中しないようにしましょう。
肝心の聞き取りがおろそかになるからです。
一言一句メモするのではなく、解答に関わる部分のみ簡単にメモし、あくまで記憶と解答の「助け」として活用しましょう。
過去問でシミュレーションする
過去問は筆記試験とリスニング試験を続けて行い、本番さながらにシミュレーションしましょう。
先に説明した、筆記試験で時間を余らせてリスニングの先読みにあてる練習や、聞き取りに集中しつつメモを取る練習に役立ちます。
また、本番は筆記試験100分を終えてヘロヘロの状態でリスニング試験に突入し、さらに35分神経を集中させなければなりません。
なので、練習の段階から本番同様にシミュレーションすることで、体力と精神力を鍛えておきましょう。
まとめ
英検1級のリスニングは確かに簡単ではないですが、対策が困難なほどではありません。
英検は先読みもメモもOKなので有効活用しない手はないです。
「問題の先読み」→「予想しながら放送を待ち構える」→「適宜メモ」→「聞きながら答える」→「また次の問題の先読み」の流れに乗って、戦略勝ちを目指しましょう!