オーストラリア留学を検討するにあたって気になるのが「訛り」問題ですよね。
- オーストラリア英語は訛りが強いの?
- 聞き取りにくいって本当?
といった疑問を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実際、オーストラリア英語には独特の発音や表現が存在します。
今回はそんなオーストラリア英語、“オージーイングリッシュ”のアクセント・スラングについて解説します。
私は学生時代にオーストラリアに留学したのですが、それまでずっとアメリカ英語を勉強していたので、オーストラリア英語に戸惑うこともありました。
ですが、「英語にもこんなに違いがあるんだ」と知ることができる良い機会にもなりました。
本記事では筆者が苦戦したポイントや慣れるコツ、やっておけばよかったと後悔した対策もあわせてご紹介します。
「オーストラリア英語=訛りが強い」という先入観で避けずに、特徴をつかんで“味のある英語”として楽しみましょう!
オーストラリア英語の特徴

オーストラリアはかつてイギリスの植民地だったことから、イギリス英語の影響を強く受けています。
そして、先住民や移民の言語が混ざり、独自に発展してきました。
人によって、また出身地によっても異なりますが、以下に主な特徴を5つ挙げます。
発音が変わる
●「i」(アイ)の音は「oi」(オイ)になる
例:like(ロォイク)、nine(ノォイン)
●「ay」(エイ)の音は「ai」(アイ)になる
例:today(トゥダイ)、eight(アイト)
●「r」の音は舌を巻かない / 発音しない
例:water(ウォラ / ウォタ)、later(レイラ / レイダ)
※「t」の音は「d」と発音されることもあり、「タ」だったり「ラ」と「ダ」の間っぽかったりまちまちです
●「ca」は「カ」と発音する場合がある
例:can’t(カーント)、castle(カッスル)
スペルはイギリス式
●「-er」は「-re」
例:centre
●「-ize」は「-ise」
例:realise
●「-or」は「-our」
例:colour
短縮形にする
オーストラリア英語に短縮形が多いのは、仲間意識や親しみやすさが重視される文化的背景やのんびりとした国民性が影響しているといった説があるようですが、はっきりとした理由は分からないのだとか。
例:Aussie(オージー)= Australian、arvo(アーヴォ)= afternoon
語尾のイントネーションが上がる
オーストラリア英語は、肯定文でも文末のイントネーションが少し上がることがあり、「Australian Question Intonation」と呼ばれています。
早口(に聞こえる)
オーストラリアのお国柄も言葉もよく“relaxed”だと言われるのに、話すのはゆったりじゃないんですよね…
音をつなげたり言葉を短縮する特徴のために、話すスピードがなおさら速く聞こえるようです。
実際訛りはある?難しい?

訛りはあると言えばあります。
前章でお話ししたオーストラリア英語の特徴を知らない、または慣れていないと難しく感じます。
さらに、オーストラリアは多文化・多民族国家なので、オージーに限らず様々な国・地域のアクセントがあるため、より聞き取りづらいです。
ただ、オーストラリアの人が全員コテコテのオージーイングリッシュを話すわけではありません。
田舎の長老とかなら訛りが強いかもしれませんが、先生や学生の発音はまったく聞き取れないほどではないので、そこまで心配しなくて大丈夫です。
逆に“日本語英語”も聞き取ってくれますし、うまく伝わらなくても聞こうと耳を傾けてくれます。
文化の違いに苦戦する一方、文化の違いに助けられもします。
訛りが不安だからと留学を諦める必要はないです。
使える表現・スラング25選

オーストラリア特有の表現やスラングを厳選してご紹介します。
日常会話に盛り込めるようになると楽しくなりますよ!
語尾が「ie / y」(ィー)になる
Aussie(オージー):= Australian
barbie(バービー):= barbecue
bikkie / biccy(ビッキー):= biscuit
brekkie / brekky(ブレッキー):= breakfast
chockie / choccy(チョッキー):= chocolate
footy(フッティー):= football
lippie / lippy(リッピー):= lipstick
mozzie(モジー):= mosquito
prezzie / prezzy(プレジー):= present
sunnies(サニーズ):= sunglasses
語尾が「o」(ォ)になる
arvo(アーヴォ):= afternoon
avo(アヴォ):= avocado
bottle-o(ボトルォー):= bottle shop / liquor store
servo(サーヴォ):= service station / petrol station
その他の短縮形
cuppa(カッパ):= cup of tea
Maccas(マカス):= McDonald’s
pav(パヴ):= pavlova
roo(ルー):= kangaroo
Ta(タ):= Thanks
uni(ユニ):= university
よく使う言葉
heaps (of ~):= a lot / many
mate:= friend
呼びかけとして誰に対しても使え、「Thanks, mate.」のように最後に付けたりします
ya:= you
例:See ya.(= See you.)、How are ya going?(= How are you? / How’s it going?)
No worries:= No problem / You’re welcome / It’s okay / Sure thing
とても便利で、「Thank you.」→「No worries!」、「Sorry.」→「No worries!」
のように、いつでもどこでも誰でも使います
Cheers:= Thanks / Bye
「乾杯」だけでなく、話の最後に軽い挨拶として言うことがあります
オーストラリア英語に慣れるコツ

オーストラリア英語を克服するための対策を3つご紹介します。
オーストラリアのニュースや動画を視聴する
教科書や資格試験で聞くようなはっきりとした音声ではなく、ニュースや動画でリアルなアクセント・スピードのオーストラリア英語を聞いて耳を慣らしましょう。
これは自分が留学前にやっておけばよかったと後悔したことです。
今はYouTubeでABC News(オーストラリア公共放送協会)などが視聴できますし、オーストラリア英語を紹介している動画もたくさんアップされています。
隙間時間にでも気軽に検索してみてください。
オーストラリア人と積極的に話す
実際に現地の人と話すことがコツをつかむ一番の近道です。
多くの人に共通する話し方や人それぞれのクセ、よく使われる言葉が分かってきます。
私も友人と話す中で「こんな発音するんだ」と気付きましたし、スラングの存在も知りました。
「へ?」という反応をすると面白がって「こんな言葉もあるよ」と色々教えてくれると思います(^^)
実際にマネして使う
アクセントやスラングをマネしてみると、オーストラリアに染まれた鼻高感と、「アメリカ英語」と「オーストラリア英語」など“英語のバイリンガル”になった気分を味わえます。
最初は現地の人風にしゃべって調子に乗ってるみたいじゃんとか思っていましたが、染まったもん勝ちですね。
今でも「No worries!」や「brekky」は使い勝手や語感がよく、気に入って使っています。
オーストラリア英語を学ぶメリット・デメリット

ここまでのお話から、オーストラリア英語を学ぶメリットとデメリットを以下にまとめます。
まずはデメリット(苦労する点)↓
続いてメリット(価値)↓
教材のリスニング音声のようにきれいなスタンダード英語を話す人はなかなかいません。
オーストラリア英語を学ぶことは、英語力(特にリスニング、スペル、単語)の底上げにつながりますし、多様な英語を知っていた方が実践に活かしやすいです。
総合的に見れば、メリットがたくさんあると言えます。
まとめ:オーストラリア英語を学ぶ=英語力を伸ばすチャンス
オーストラリア英語には確かに独特の訛り・アクセント・スラングがあります。
ですが、訛りを理由に留学先の候補から外すのはもったいないです。
ぶっちゃけイギリスに行こうがアメリカに行こうが、人それぞれ異なるアクセントがあります。
オーストラリアは多文化・多民族ゆえに幅広い英語に触れられるので、グローバルな英語力をアップさせられます。
それに自分自身も受け入れてもらいやすいので、飛び込むにはもってこいの環境です。
ぜひオーストラリア英語を恐れず、留学に挑戦してみてください!

